「せとうち交流プロジェクト2018」の一般参加可能なプログラム

福島の子どもたちを岡山にまねく「せとうち交流プロジェクト」も、いよいよ一ヶ月を切ってきました!
すでに参加者も決まり、あとは食事部や講師などとの最終調整を残すのみです。

今年は7月22日〜31日までの9泊10日のキャンプですが、期間中に一般の方も参加できるプログラムが二つあるのでご紹介します。

① 夕焼けクルージング

初日22日の18時より、遊覧船で90分ほどの瀬戸内海のクルージングを行います。参加費は大人1000円、小学生500円です。
問合せ先は、わたし蝦名の方までお願いします(090-4964-4147)

“クルージング.

② 守田敏也講演会

ほぼ毎年プロジェクトにきてお話ししてくださる、フリージャーナリストの守田さんの講演会です。日本を横断する中央構造線が動きだし、地震の活動期にはいったと言われる日本列島。原発立地地域でも、遠くはなれた場所でも、原発は一度過酷事故を起こせばその影響が広範囲にいたることは、私たちはすでに福島で経験しています。守田さんは、そんな放射能からの身の守り方や、防災に対する基礎知識、さらに左近の政治情勢のことなど幅広く、分かりやすくお話ししてくださいます。
こちらは、7月27日の14時から、前島の啓明学院キャンプ場にて行います。参加費は無料です。

スクリーンショット 2018-06-27 22.37.53


福島県二本松市の線量を計測してきました-2018年6月3日

保養相談会のために訪れた二本松市の線量を計測してきました。(2018年6月3日)

二本松市は、福島市と郡山市という福島の二大都市のちょうど中間に位置しています。人口は約5万5千人。事故直後に多くの放射性物質が降り注いだ場所でもありますが、避難指示などは事故当初より出ていません。

 

持参したのは埼玉県秩父市の「原発止めよう秩父人」が所有する線量計、環境放射線モニタ PA-1000 Radi。地表から5㎝で計測しました。本来であれば5回同一箇所を計測して平均値をだすそうですが、今回は一度きりの計測です。なので以下の値はあくまで参考値としてご理解ください。

今回計測したのは、保養相談会が行われた「男女共生センター」の周辺や二本松駅前。結論から言うと、年間1mシーベルト(0.23μシーベルト/時)を越える場所が多くありました。

事故から7年が過ぎ、除染もしているであろう(現在二本松市役所に確認中)二本松市の中心地で計測された値であることを考えると,驚き、少しぞっとしました。
事故直後の高線量や引き上げられた基準値20mシーベルトいう値に慣れてしまっていますが、年間1mシーベルトとは事故前までは成人の年間放射線許容量であり、チェルノブイリ原発事故の罹災国ではこの値を越える線量の地域の住民たちには移住の権利が与えられ、財産などの補償が行われている値です。

男女共生センター

保養相談会が行われた「男女共生センター」です。

建物正面の舗道で、0.091μSv/h
建物正面の草むらで、0.165μSv/h
建物脇の草むらで、0.3155μSv/h
建物内部は、0.07μSv/h
(原発事故とは関係なく、宇宙や大地から発せらている放射線量は、約0.06μSv/時)

コンクリートの表面では低く、草むらでは高く、室内に入ると正常値とほぼ同じである事が分かります。

二本松市立北小学校

次に計測したのは、男女共生センターの正面にある「二本松市立北小学校」

北小学校裏門の側溝の上で、0.424μSv/h

年間1mシーベルトをゆうに越える値が小学校から計測されたのは驚きでした。日常的に小学生たちが通る道であろうし、裏門から続く学校内部にはホットスポットになりそうな草むらや駐車場があり、今回は許可を得ていないため内部を計測できなかったのですが、とても気にかかります。
現在二本松市役所にこの値を伝え、再度除染を行ってもらうように依頼しています。またこの学校まわりは事故後除染しているはずなので、それがいつ頃行われ、除染前後で計測された放射線量の値はいかほどであったのか、現在確認しています。それが分かれば除染後に放射線量の値が再びあがってくる「リバウンド」の実態がすこし見えてくるはずです。

また、この小学校には放射線量モニタリングポストが設置されており、後日市役所のホームページより確認すると、0.143μSv/h(2018年06月08日 13時50分)でした。学校のどこに設置しているのか具体的に分かりませんが、このように公になっている値はあくまで目安であり、その下に小さなホットスポットが多数存在しているということが伺えます。

二本松駅前

二本松駅前の草むらで、0.448μSv/h
タイルが敷かれている横断歩道手前の通路で、0.274μSv/h
駅構内のみどりの窓口の中では、0.072μSv/h

生活に密着している駅前でも年間1mシーベルトを越える値が計測されてました。ここも事故後に除染されているはず(現在確認中)なので、リバウンドが起きていることが伺えます。また男女共生センター同様、建物内部にはいると、放射線量の値は正常値になりました。

仙台駅前

最後に、福島のあとに訪れたお隣宮城県の仙台駅前の値と、駅から10分ほど歩いたところにある公園の値です。

仙台駅前のタイルの上、0.051μSv/h
仙台市内の公園、0.068μSv/h

どちらも正常値であることが分かります。

二本松市役所からの返信があり次第、またご報告します。

文責:せとうち交流プロジェクトメンバー 渡辺嶺也


福島での保養相談会(2018)を終えて

福島での保養相談会から帰りました。

いわき市と二本松市(福島市と郡山市との間)の二カ所で行われた保養相談会「ほよーん」。全国、沖縄から北海道まで約50ほどのの保養団体が集まり、訪れた参加者に今年の夏の保養について説明会を行いました。
二日間の参加者は、537名(うち大人は266名)であり、多くは福島県在住者であったが遠くは千葉の柏や流山からも参加する方がいらっしゃいました。事務局によると参加者の半分が初めてこの説明会に参加した人たちで、まだまだ「保養」という存在自体を知らない方達が多くいるのだなと感じました。
各説明会の終わりには全体ミーティングを行い、反省会があり、そこでは訪れた参加者の方がどんな悩みを抱えていて、それに対して我々はどんな対応がしてあげられるのか(交通費の問題等)など、具体的な課題やそれへの対応をみなで考え話し合うなど、きめ細かい配慮の姿勢に初めて参加した私は感心してしまいました。

チェルノブイリ原発事故の罹災国では国策として大規模に行われている保養ですが、日本ではそういった国からの補助はほとんどなく、こういった市民の団体が保養を支えているのが現状です。活動を続けていけなくなる団体、新しく始まる団体など入れ替わり立ち代わりで日本全国の有志が支えています。この説明会も、参加団体のメンバーたちは遠く大阪、九州、北海道から始発にのって電車を乗り継いできて、そして夜行で帰って次の日仕事に向かうなど、みなさんかなりのハードスケジュールで来ていました。

のちほどまた別途ブログにて報告しますが、福島はまだまだ放射線量が高く、そこで暮らしていくには保養を行って、体の中にたまった放射性物物資を出していく必要があります。福島県民の方たちも、そして我々支援側も日に日に意識が薄れていく中で、活動を継続していく事で放射能の危険性への意識をつなぎとめていかなくてはと思っています。

34663533_10212445587989910_1001122714527727616_n-e1528784634611

34536431_10212445587749904_3077866567535427584_n-e1528784617931

34810781_1697915810329259_3580772822324084736_n-e1528784671366

34534763_10212445608550424_3253901737806790656_n-e1528784698777 (1)